いい人ほど消耗する職場で、心を軽くする3つのテクニック

仕事が終わって家に帰っても、何もできない。
ご飯を作る気にもなれない。
好きだった映画も、なんとなく見る気がしない。
ただソファに座って、ぼーっとスマホをいじるだけ。
毎日疲れているし、どこか「空っぽになった」感じ…虚無感。
そんな風に、職場の人間関係で、消耗していないでしょうか。
・上司や同僚との関係で、じわじわと消耗している
・「なんでこんな人と働かなきゃいけないんだろう」と思いながら、今日も我慢している
・真面目に頑張っているのに、なぜか自分だけが損をしている気がする
・なぜ自分ばかり傷付かないといけないのか
・転職や退職を考えているけど、踏み出せずにいる
・「自分がおかしいのかな」と思いながら、今日も仕事に行っている。
…などなど。
そんなことを考えているあなたに読んで欲しくて、あなたが少しでも気持ちが楽になるようにという思いで、この記事を書いてみました。
はじめに、自己紹介
私は公務員として13年、大きな組織の中で働いてきました。今はその時の経験を活かし、カウンセラーとして活動しています。
でも——今はカウンセラーである私も、当時は職場の人間関係と環境によって疲弊し、感情も思考力も崩れてい苦経験をしたこともあります。
そんな私が、実際に自分自身で取り入れてる、気持ちを楽にするテクニックをお話しします。
この記事の前半では、なぜ真面目な人ほど消耗するのか、その構造をお伝えします。
後半では、消耗の原因を自分で把握する方法と、人間関係の消耗を減らす3つの具体的なテクニックを書いています。早速今日から使えるものを書いてみました!
第1章:なぜ、真面目な人ほど人間関係で消耗するのか
まず、これを読んでくれているあなたに知っておいてほしいことがあります。
職場の人間関係で消耗するのは、あなたが弱いからじゃないということ。あなたの長所である「真面目さ」が、消耗を引き起こす構造になっているんです。
アメリカの社会学者ホックシールドが提唱した、「感情労働」という概念があります。
感情労働とは、自分の本音の感情を抑えて、職場が求める感情を演じ続ける作業のことです。
たとえば——
・理不尽な指示をされても、「わかりました」と笑顔で答える。自分を押し殺して。
・理不尽に怒鳴られても、その場では反論せず、じっと聞いている。クレーム対応とかね。
・本当は「なんで私が」と思いながら、頼まれた仕事を泣く泣く引き受けている。…つらいよね。
こうした「感情の我慢」は、じわじわと自分を蝕む目に見えない消耗です。体を動かすのと同じように、脳とメンタルのエネルギーを大量に使っています。
そして厄介なのは、真面目で責任感が強い人ほど、この感情労働の量が多くなるということです。
「嫌だ」と感じても断れない。「おかしい」と思っても言えない。自分の感情を抑えることが、もう当たり前になってしまっている。
私自身がそうでした。
合わない上司に毎日「お疲れ様です」と笑顔で挨拶しながら、内心ではくたくたでした。
帰宅するたびに、何かをやり遂げたわけでもないのに、むしろ何もできていなくて。
ただ疲れ果てていて、何かをやる気にもならない。
それは仕事の量の問題じゃなくて、感情のエネルギーを使い果たしていたからだったと、今になって振り返ると思います。
第2章:「消耗している」と気づけなかった理由
「最近しんどいな」と感じていても、多くの人はすぐにはその理由には気づきません。
それは、消耗は急には来ないから。じわじわと、少しずつ迫ってくる。疲れが溜まってくような、感覚。
・毎朝の「また今日もあの人と会わなきゃ」という憂うつ感。
・会議でひとこと言われるたびに蓄積していくモヤモヤ
・帰宅後、何もできずにぼーっとしている時間が増えていって、「今日も何もできなかった」と思ったり
こうした変化は、「忙しいから仕方ない」「自分が慣れれば大丈夫」と、無意識のうちに正当化してしまいます。
あなたにも、こんな経験はないでしょうか。
・休日なのに「明日また会社か」と思うと、気分が沈む
・好きだった趣味や友人との時間が、なんとなく楽しめなくなってきた
・「疲れた」という言葉やため息が、挨拶のように口から出てくる
・ちょっとしたことで涙が出たり、必要以上にイライラしたりする
これは意志の問題でも、メンタルが弱いからでもありません。
エネルギーの収支が、完全に赤字になっているサインです。
収入よりも支出が多ければ、お金は底をつきます。
それと同じことが、心のエネルギーでも起きているかもしれません。
第3章:辞めたい。でも、その前にできることがある?
私はそんな風に疲弊しながら、一方で「もう辞めたい」と思うことにも罪悪感がありました。
「まだ若いのに、根性がない」、「せっかくここまで続けてきたのに」。誰か言われたわけじゃないけれど、誰かがそう言っているような気がする、そんな、無言の圧力。
でも今は、はっきり思います。
「辞めたい」という気持ちは、心のSOSです。
ただ——辞める前に、ひとつだけ確認してほしいことがあります。
「今の消耗は、環境の問題なのか、自分の対処の問題なのか」どちらでしょう?
消耗のパターンが自分の中にある場合、場所を変えても同じことが繰り返されます。
ここではない、どこかを求めても、同じ思考パターンでは、また消耗してしまう。
その前に、少し立ち止まって消耗をしないテクニックを手に入れてみませんか?
後半部分では、この切り分けの方法と、今日からできる、消耗を減らす3つの具体的なテクニックをお伝えしたいとます。
(1)こんな人に読んでほしい
この記事の続きは、こんな方に向けて書いています。
・職場の特定の人と関わるたびに、どっと疲れる
・理不尽なことを言われても言い返せず、あとから一人で悔しくなる
・帰宅後にぼーっとする時間が増えて、好きなことが楽しめなくなってきた
・「転職すれば解決するのかな」と思いながら、踏み出せずにいる
一つでも当てはまるなら、続きを読む価値があると思います。
(2)これを実践すると、何が変わるのか
後半パートでお伝えする3つのテクニックを使うと、こんな変化が起きます。
①まず、「なぜ消耗するのか」の原因がわかります。
なんとなくつらいのではなく、自分のどこが引き金になっているのかが見えてくるとおもいます。原因がわかると、同じ場面でも消耗の深さが変わります。
②次に、感情の波が少し落ち着いてきます。
相手の言動に即座に反応して消耗するパターンが、だんだん薄れていきます。
③そして、エネルギーの使い先が変わります。
全員に同じ熱量で関わることをやめると、本当に大切な人や仕事に使えるエネルギーが残るようになります。一夜にして変わるものではありません。でも、続けると確実に変わります。
(3)私が実践した結果、どう変わったか
これらのテクニックを使う前の私は、毎日「なんでこんなに疲れるんだろう」と思っていました。毎日消耗しているのが、自分でもわかっていなかったのです。
仕事量は多かったけれど、それだけじゃなくて、なんだかあの場所にいて、関わっていることが、疲れてたみたい。
合わない上司に笑顔で「お疲れ様です」と言うたびに、誰かの理不尽を受け流すたびに、頼まれた仕事を断れないたびに——じわじわとエネルギーが漏れていました。
当時の私には、それが「感情労働による消耗」だとわかっていませんでした。
ただ「自分が弱いから、うまくやれないから悪いんだ」と自分を責め続けていたのです。
変わったのは、消耗の「構造」を理解したこと。
「自分がダメなんじゃなく、こういう仕組みで消耗していたんだ」と気づいたとき、不思議なくらい気持ちが楽になりました。そして少しずつ、消耗しないようにエネルギーの使い方を変えていきました。
今も、人間関係のストレスがゼロになったわけじゃありません。そりゃそうです、上司や部下は変えられないもの。
でも、自分の中で生まれた気付き、また考え方が変わったことで、消耗の深さは明らかに違います。
帰宅後に「空っぽ」になる日が、ずいぶん減りました。
あなたにも、同じ変化が起きてほしいと思っています。
ここからは、具体的な3つのテクニックをお伝えします。
①消耗の発生源を自分で特定する「ABCモデル」と実践ワーク
②感情の反応を止める「感情ラベリング」の使い方
③人間関係のエネルギー消耗を大幅に減らす「関与レベルの設定」
第4章:消耗の「発生源」を特定する
では早速、具体的な話をします。
職場の人間関係で消耗している人の多くは、実は「消耗の発生源」を正確に把握できていないという課題があります。
「あの上司が嫌いだからつらい」ではなく、「上司のどの行動が、自分のどんな価値観に触れているからつらいのか」を理解すること。これが、対処の出発点です。
(1)消耗を「見える化」する
認識した消耗を、ただ漠然と考えるのではなく、「見える化する」ということが重要です。
アメリカの心理学者、アルバートエリスが提唱した「ABCモデル」という理論があります。
これは、その出来事と自分の感情を、分けて整理していくのに役立ちます。中でも重要なのが思い込み、という考え方。
早速具体例をあげていきましょう。
・A(出来事):上司に「それは違う」と会議で否定された
・B(思い込み):「人前で否定されるのは、自分の能力がないからだ」
・C(感情):強い羞恥心・怒り・自己嫌悪
多くの人は、AがCを直接引き起こしていると思っています。でも実際には、Bという思い込みのフィルターをかけることでCが生まれているんです。
つまり、同じ出来事(A)でも、思い込み(B)が変われば、感情(C)は変わります。
私の場合、「人前で否定されること」がひどく消耗する出来事でした。
でもそれは、「人に認められないと価値がない」という思い込み(B)があったからでした。
Bに気づいたとき、「あの上司が問題なのではなく、自分の中の信念が引き金になっていた」とわかりました。それだけで、消耗の深さが少し変わりました。
(2)実践ワーク:1週間の「消耗メモ」
今日から1週間、仕事中に「あ、消耗しているかも」と感じた瞬間を、その場でメモしてみてください。書くのは3つだけです。
1. 何があったか(A)
2. そのとき自分が「これはつまり〇〇だ」と解釈したこと(B)
3.どんな感情が出たか(C)
1週間続けると、自分がどんな「B(思い込み)」を持っているかのパターンが見えてきます。パターンがわかると、同じ場面でも消耗の深さが変わり始めます。
第5章:消耗を減らす2つの技術
消耗の構造がわかったら、次はエネルギーの「漏れをふさぐ」実践です。
ここで重要な考え方があります。
エネルギーは「増やす」より「漏れをふさぐ」ほうが先です。
バケツに水を入れ続けても、穴が空いていたら意味がありませんよね。まず穴をふさぐこと。それが、消耗しない働き方の基本です。
(1)「感情ラベリング」で、反応の増幅を止める
人間関係で最もエネルギーを消耗するのは、相手の言動に即座に反応してしまう場面です。
理不尽なことを言われた瞬間にカッとなる。
無視された瞬間に落ち込む。
これは脳の「扁桃体」が自動的に反応しているからで、意志だけでコントロールするのは難しい。
でも、反応が起きた後の「増幅」は止められます。
方法は単純です。
感情が動いた瞬間に、心の中で「今、私はイライラしている」と実況中継するだけ。
これが「感情ラベリング」です。
感情に名前をつけると、脳の前頭前野が活性化して、扁桃体の暴走が収まることが研究でわかっています。
口に出す必要はありません。
心の中で「怒り」「悔しさ」「恥ずかしさ」とつぶやくだけ。これだけで、消耗の深さが変わります。
感情に名前をつけてあげると、より優しくなれるかもしれません。「プンプン」、「悔しいちゃん」、「照れ屋さん」などなど。
(2)「関与レベルの設定」で、使うエネルギーを絞る
消耗しやすい人は、その真面目さゆえ、全ての人間関係に同じ熱量で関わっています。
好きな人も、嫌いな人も、どうでもいい人も——全員に気を遣い、全員の評価を気にして、全員との関係を円滑に保とうとする。とっても大切で素敵なことなんだけど、これでは消耗して当然です。
そこで意識してほしいのが「関与レベルの設定」です。
職場の人間関係を3つのゾーンに分けます。
・Aゾーン(大切にしたい人):エネルギーを積極的に使う
・Bゾーン(仕事上の関係):必要最低限の丁寧さで十分
・Cゾーン(消耗させてくる人):「やり過ごす技術」を使う
ほとんどの職場の人間関係はBゾーンです。
全員をAゾーンで扱っていたら、エネルギーはいくらあっても足りません。
Cゾーンの人に対しては、感情的に反応せず「そうですね」、「確認します」など、会話を完結させる短い返しを使うだけで、消耗量は大幅に減ります。
まず自分の周りの人を、このゾーンで分類してみてください。「あ、私はBゾーンの人にもAゾーンのエネルギーを使っていたんだ」と気づくだけで、明日からの働き方が変わります。
おわりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
人間関係の消耗は、あなたが弱いからでも、根性がないからでもありません。
構造上、真面目に考えてしまう人ほど消耗しやすくなっているのです。
今日お伝えしたことを参考に、少し自分の捉え方を振り返ってみてもらえたらと思います。
今日お伝えした3つのテクニックを、もう一度まとめます。
①消耗メモ(ABCモデル):消耗の発生源とパターンを把握する
②感情ラベリング:反応の増幅を止めて、エネルギーの漏れをふさぐ
③関与レベルの設定:使うエネルギーの使い先を意識的に絞る
どれか一つでも、今日から試してみてもらえたら嬉しいです。
あなたの毎日が、少しでも楽になりますように、影ながらお祈りしています🙏
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